インフルエンザとコロナの天敵
ウイルスの構造に着目、”膜”の有無がポイント
皆様、菜の葉なクリニックは令和8年9月1日に無事開院いたしました。立ち上げ決断から約4か月、これも多くの方々のお力添えのおかげです。この場をお借りして、改めて厚く御礼申し上げます。8月30日の内覧会にも多くの方にお越しいただき、直接お話しすることができました。地域の皆様が当院に何を求めておられるのかを考えながら、一歩ずつ着実に歩んでいきたいと思います。
さて、ご存じのようにインフルエンザが流行しています。コロナウイルスも少ないながら陽性の患者さんが出ています。これらのウイルスに感染することは是非とも避けたいものです。それではどのようにして感染を回避するのか、感染を防ぐには、まず相手の特徴を知ることが大切です。今回は、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの「弱点」について少し掘り下げてみます。
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスの表面には、脂質を主成分とする膜(エンベロープ)があります(図1)。この脂質膜は石鹸やアルコールの作用を受けやすく、これらのウイルスの「弱点」の一つです。膜やその表面に存在するタンパク質の構造・機能が損なわれると、ウイルスは細胞に感染する能力を失います(図2)。
つまり、私たちが日頃何気なく行っている手洗いやアルコールによる手指消毒には、ウイルスの構造そのものに基づいた化学的な理由があるのです。
一方、主に冬に流行することが多いノロウイルスにはこの膜(エンベロープ)がありません(図3)。そのため、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスと同じようには考えられません。ノロウイルス対策では、アルコール消毒による反応にだけに頼るのではなく、石鹸と流水による手洗いによって手に付着したウイルスを物理的に洗い流すことが特に重要になります。
ウイルスの構造や特性をこれ以上事細かく説明すると読むのが嫌になります(笑)。
最後に、以下の2つのポイントを覚えてください。
1.ウイルスには、エンベロープ(脂質膜)を持つものと、持たないものがあります。
2.インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスはエンベロープを持つため、石鹸(界面活性剤)やアルコールがその膜やタンパク質に作用し、感染性を失わせます。
一方、ノロウイルスはエンベロープを持たず、一般的なアルコール消毒の効果が得られにくいため、石鹸と流水でしっかり手を洗い、手に付着したウイルスを物理的に洗い流すことが特に重要です。
皆様は予防を十分に行いつつ、「おかしいな?」と思ったら速やかに受診されることをお勧めします。
